本物ケアの考え方

〜「何でもしてあげる」はしない〜

会社設立は97年。当時はまだ法整備も十分ではなく、介護という概念が一般に認知されていない時代でした。11年が経過した現在では法整備も進み、提供する側もされる側も環境はかなり整ってきました。しかし内実はというと、私のイメージとは今も大きくかけ離れています。

私の考え方は「何でもしてさしあげる介護はしない」。お世話を「してさしあげる」ではなく、「これをしていただけませんか」と促すのが基本。「してさしあげる」は一見親切のようですが、サービスを利用される方が本来できることを奪ってしまうことになるからです。長いスパンで見るとその関わり方が、サービスを利用される方が人として、生活している人として、生きていけるカタチをともに創りあげていくことを可能にするのです。

例えば入浴。「一人で風呂に入りにくくなった」と依頼があっても、「すぐお風呂にいれてさしあげます」ではいけないのです。「してさしあげる介護」では、1年後にその人が自力で風呂に入れる可能性は限りなくゼロに近づくことになり、できることを奪ってしまう危険性があります。そうではなく、入りにくいのはなぜか、筋力が弱くなったのか、痛みがあるのか、動作がおかしくなったのか、あるいは浴室環境に問題はないのか・・・・・・ 専門職のケアチームとしていろいろ検証してみて、その結果をもとに、筋力をつけるリハビリをする、あるいは浴室に手すりをつけるなどの環境整備をする。選択肢や可能性はいっぱいあります。「お風呂に入れてほしい」は依頼者からの単なる要望です。それを丸呑みするのではなく、本来のニーズを分析して最善策を講じる。それが専門家のとるべき態度です。いわゆる世間一般の介護の現状、その認識と明確に区別するために、あえて「本物ケア」とネーミングしています。

■本物ケアと偽物ケアの違い

私たちの提唱する「本物ケア」について具体的に説明したいと思います。
私たちがご利用者様に対して行った満足度のアンケート調査でも、ご自分で入浴できるかどうかという項目は非常に重要なポイントであることが分かっています。そこで入浴を例に取り「本物ケア」と「偽物ケア」について説明します。

本物ケアと偽物ケアの違い